幼少期、エドガー・シュイリュスは父親を追いかけて、山へ海へと駆け回る日々を過ごしました。結果としてこれが、急成長を遂げるフリースキーヤーにとって代え難い基礎を作ることとなったのです。何しろ、エドガーとその妹が揃ってフランスとヨーロッパのジュニア・フリーライド・チャンピオンに輝いているのですから。シュイリュスは14歳からフリーライド・ジュニア・ワールドツアーに出場。その活動を支えたのは先鋭的なフリーライドスポーツの研究でした。これにより、シュイリュスが通う高校には「バックフリップの王様」セバスチャン・ミショーによるトレーニングがセットアップされ、スロープをダイナミックに切り裂くその姿から「レ・ガジエ(ガスマン)」と名付けられたチームもこれに加わったのです。シュイリュスはヨーロッパのジュニアタイトルを手中に収め、頂点を極めて卒業。しかしその後、親友と共にシャモニーで雪崩に巻き込まれるという厳しい洗礼を受けることになります。生還したのはエドガーだけでした。2020年、新型コロナウイルス感染症の影響で世界が緊縮へと向かう中、シュイリュスはACLの再建術からのリハビリをしつつ大学進学の計画を見直して、非常にパーソナルかつポエティックなショートフィルム『Sentience(感覚性)』を製作しました。それは、人生の哲学を共有し、刺激を与えてくれた友に捧げるオマージュでした。まだ20歳でありながら、シュイリュスは山と共にある人生の深みを極めて、2022-2023シーズンを迎えることになりました。デビュー戦は「フリーライド・ワールド・クオリファイアー」。あらゆる瞬間を楽しみ切るべく、鋭さを増して参戦します。夏は毎年フランスのサーフィンのメッカ、オスゴールで過ごしてきたシュイリュスは、サーフボードやカイトボード、スキーに乗って滑走しながら、その不足を埋めるかのように手を動かしてサーフボードを作るようになりました。現在は、少しずつながらデザインのポートフォリオを組んでいるところです。いつの日か工業製品のデザインを学び、自らがもっとも喜びを感じることができるツールを作り、完璧を極めたいと思い描いています。
実績
- フリースキーで、フランスのジュニア・ワールドチャンピオンに3度輝く
- フリースキーで、ヨーロッパのジュニア・ワールドチャンピオン(2019年)
- 『Sentience』のフィルム製作者