グラントが、クライマーおよびスキーパトロールとしてのキャリアを歩み始めたのは1980年代のこと。その後まもなく山岳ガイドとなった彼は、世界中でクライミングやスキーを楽しむことを目標にしていました。90年代には、ロッククライミング、アイスクライミング、高山ルートクライミング、団体調査クライミング等を行うかたわら、それらアクティビティのガイドとしても活躍。更に、雪崩コースの教習とヘリスキーの開拓に従事するのに加え、雪崩コントロールプロジェクトに契約で携わりました。雪崩による大事故発生後の2003年から、パークス・カナダ(カナダ国立公園局)に所属することになったグラントは、雪崩に対する国内公共安全システムの抜本的改善策を立案し、実行する任務に就きました。雪崩のリスクに関する彼の研究は、業界に変化をもたらしただけではありません。これまでに世界中で採用されてきたシステムや対策もグラントの研究が生み出したものです。現在は、パークス・カナダの山岳救護スペシャリスト兼雪崩予報士として活躍するグラントですが、年に1度は日本へのスキー旅行も行っています。また、定期的に世界中の高山リスクプロジェクトにコンサルタントとして参加しています。そんなグラントは、1997年からアークテリクスとコラボレーションしています。
主な実績
- ユーコン準州を走るセントイライアス山脈の東斜面マッカーサーピークに位置するアストロフロイド初登
- 24歳でIFMGA(国際山岳ガイド協会連盟)の山岳ガイドを務める
- ユーコン準州を走るセントイライアス山脈のピナクル・ピーク北斜面初登
- バフィン島のアスガルド山、ポーラーシーベリー初登
- バガブー山脈のソリタリーコンファインメント初登
- ヒマラヤ山脈、アルプス山脈、ニュージーランド、ユーコン準州、バフィン島でのガイド帯同登山
- 著書: 『Avalanche Terrain Exposure Scale』、『Conceptual Model of Avalanche Hazard』
- カナダ国内の雪崩安全対策に対する多大な貢献により、2014年アバランチェ・カナダ・アワードを受賞