イネスはあまりにも流れるような動きで優美に、喜びと活気漲る様子で登るので、こんな質問が飛ぶ:「彼女は地球人?」彼女は名前や評判、山にはあまり構わなかった。自分のやり方でやりたいだけ。ダイナミックで意思の固いイネスは、それがメンタルや身体、あるいはロジスティカルに困難なことであっても、挑戦することに目がない。20以上のワールドカップを経験し、2005年に行われたオウレイの大会では伝説的総合優勝も果たした。彼女は、実際にはその影響を感じたことはないが、クライミング界の社会のジェンダーギャップという障壁を打ち破ってきた。「アルパインスタイル」の全てを愛し、イネスは旅行者があまり来ないところに癒しを見出す。ネパールからバフィン島、南アフリカ、アルプス、そしてその途中のどこへ行くにも、イネスは地球で最も恐ろしいピークの最難関と言われる複数のルートを制してきた。彼女は深刻になりすぎることはない。腰の低さと調和を大切にする精神が彼女の気質を形作っている。モチベーションとインスピレーションは、一緒に登る人からだけでなく、単に彼女に感嘆する人からも得ている。
主な実績
- アイスクライミングの世界チャンピオンに4度君臨
- カナダにて、長距離ミックスルートをM12まで、ビッグロッククライムルートを13aまで開拓
- ネパール、ヒマラヤ山脈のリク・チュリル(Likhu ChuliI)を初登攀
- 世界で最も過酷だと言われるトラッドルートの一つ、スコットランドのハーティング(Hurting)を攻略
- パタゴニアへの最初の遠征で、トレ・セントラル(Torre Central)の登頂に成功(ライダーズ・オン・ザ・ストーム(Riders on the Storm)経由)
- シシャパンマにて雪崩に巻き込まれた時、テントから奇跡的に脱出
- 既に8Bsを達成しているクライミング大好きな息子を持つ誇り高き母親 - 「彼は自分の欲しいものをきちんと知っていて、その為にどこまで行くべきかも分かっているの」