持続可能性:長期使用に向けたデザイン

私たちは製品哲学、信頼性のある製造、そしてコミュニティとの連携という観点から、持続可能性について長きに渡り検討を重ねてきました。

私たちは製品哲学、信頼性のある製造、そしてコミュニティとの連携という観点から、持続可能性について長きに渡り検討を重ねてきました。

単なるジャケットの枠を超えた、デザインへの徹底したこだわり

製品デザインにとっても、その先が重要となっています。私たちは、優れた製品を作るという目先の目標を超えて、未来を見据えなければなりません。すなわち、人と地球への影響を考えたデザインを生み出す必要があるのです。自分たちの未来、そしてビジネスへのアプローチ次第で、環境危機の切迫度は高まってしまうからです。

アークテリクスでは、最高の素材を使い、最も洗練された耐久性の高い製品を作ることを目指しています。あなたのギアをいつまでも使って頂くために 自然とデザイン、そしてその相互作用で人々にインスピレーションを与えたい。人と人、人と自然環境が互いに依存していること、そして正しい温暖化対策は、世界の不平等を協力して解決することなく実現できないことを理解し、伝えたい。

デザインとコミュニティ、科学と情熱を原動力に、私たちは環境への影響を減らし、社会に対してよい影響を広げていくことにコミットします。当社は、エレン・マッカーサー財団が掲げるサーキュラーエコノミーの推進に賛同し、温室効果ガス排出実質ゼロを目指すネットゼロへの道の一環として、循環型社会の実現を追求していきます。

そのための私たちの取り組みは以下のとおりです。

協調的低炭素ソリューション

アークテリクスは、国際連合ファッション業界気候行動憲章(国連ファッション憲章)に早期に署名した企業の一社です。さらに、アウトドア産業協会(OIA)のクライメート・アクション・コープスの一員であり、カタリスト・ビジネス連合のペンビナ研究所の共同創立者でもあり、科学的根拠に基づく目標を最初に設定した企業400社のひとつでもあります。アークテリクスはこうした連携の力を活かし、パリ協定が定める目標の達成と低炭素社会の実現に向けて、業界全体での構造改革を図ろうとしています。

長期的に考えることの重要さ

私たちは製品のデザインに全力で取り組んでいます。丈夫で過酷さを極めるコンディションにも耐えるモノづくりを追求しています。

耐久性と機能性の追求は、創業当初から当社の基本指針となっているからです。

一方で、ウェアが環境に与える影響の65%が、製品として完成する前(製造過程と素材調達時)に生じています。時代を問わないデザイン、卓越した品質、優れた耐久性を備え、長持ちするように作られた製品だとしても、この事実からは逃れられません。とすると、持続可能性の観点からベストな方法は何も購入しないこと。そして、一度誰かに大切にされた中古ギア、ReGEAR™(中古ギアを入手することが次善の策です。新品を購入していただく場合は、できる限り最高のものを提供したいと考えています。つまり、何シーズンも活躍し続けるような品質を実現することで、あなたがその製品を手放すときでも、それを欲しいと思うユーザーが数多く存在するようにしたいのです。新しい物を買わず、使い捨てではなく耐久性のあるものを選び、ギアのお手入れや修理、再販や再利用、アップサイクルされた製品の利用を支援することで、循環型社会の実現を後押しできます。ReBIRD™は、アークテリクスが循環型社会を作るための主軸となる取り組みです。

持続可能性には長期的な視点が求められます。一方で、気候の非常事態にはスピーディな行動が必要です。

未来と現在を同時に舵取りするのは容易ではありません。しかし、私たちにはこの難題に向き合う強い覚悟があります

  • 私たちは、気候変動対策としての科学的根拠に基づいた炭素排出量削減目標達成にコミットします。
  • 循環型経済に向けて努力を積み重ねることにコミットします。
  • アウトドアへの障壁を取り除く努力を続けるコミュニティとのつながりを深め、そのサポートに力を注ぐことにコミットします。
  • 当社製品を製造しているすべての事業所の労働環境を改善し、フェアトレード認証を取得することにコミットします。

目の前に広がる世界を取り巻く問題は複雑ですが、前向きな一歩一歩が、よい結果をもたらすと信じています。前向きな一歩が積み重なって、大きな成果として実を結び、やがて組織全体に変化を及ぼすモメンタムが生まれるのです。私たちは、目に見える変化を実現することにコミットします。

製品、素材、テクノロジー

当社の製品哲学は、持続可能性に向けたアプローチを基盤としています。長持ちする製品を作ることが、環境に及ぼす影響を最小限にする最も強力な手段であるというのが当社の信念です。

アークテリクスは、様々な方法で、機能と耐久性の最大化を図っています。例えば、用途に合った機能を発揮する製品の構築や、耐久性があり長持ちすることが実証された素材を選択することなどです。アークテリクスの流行に左右されない美しいデザインは、いつまでも色あせることがありません。そして、耐用期間にわたってのお手入れ、修理、製品保証に責任を持って対応します。

気候変動対策

気候変動は、世界中のコミュニティと生態系に直結する差し迫った問題です。2030年までに温室効果ガス(GHG)排出量を2010年の値から45%削減すること、および2050年頃までに排出量を実質ゼロにすることは、温暖化を1.5°C未満に抑え、取り返しのつかない最悪の気候変動を阻止するため最善の策であると科学は示しています。これには世界的レベルでの変革が必要です。気候への影響とビジネスの成功との間でバランスを取ることは、現在アークテリクスが直面している最も大きな課題の一つです。

アースデイ2020で、アークテリクスは二酸化炭素排出量の厳密な分析を行い、2018年を基準値とした二酸化炭素削減目標と再生可能エネルギー目標を発表しました。これらの科学的根拠に基づいた目標は、SBTi(Science Based Targets initiative)、CDP間のパートナーシップ、国連グローバル・コンパクト、世界資源研究所、および世界自然保護基金により承認され、世界の気温上昇を産業革命前の2°C未満に抑えることを目指し、企業が必要な取り組みを行えるようにサポートします。

具体的な目標は以下の通りです。

  1. 2030年までに、温室効果ガス排出量をスコープ1とスコープ2の絶対目標値である65%まで削減(基準年の2018年比)(これは2018年と比較し、2030年までにアークテリクス本社、カナダ国内の製造施設と世界中の販売店に関連する排出量を65%まで削減することを意味します)。
  2. 2030年までに、スコープ3の温室効果ガス排出量原単位を65%削減(基準年の2018年比) (これは当社のビジネス・バリューチェーンで発生した付加価値あたりの二酸化炭素排出量を削減することを意味します。これには、原料、製品、製造施設、工場、配送、流通センターでの二酸化炭素排出が含まれます)。

手始めに、当社ではまず4つの大きな手段に対する取り組みに注力しました。

  1. 製品:環境への影響が少ない素材を使用し、製品を長期間使用できるように耐久性を最大限に高める製品デザインをします。
  2. 再生可能エネルギー:自社保有の事業活動においては、2020年末までに100%再生可能エネルギーへの転換に取り組み、施設内の再生エネルギープロジェクトに向けて、サプライチェーン内の企業とのパートナーシップを深めます。
  3. エネルギー効率:自社保有の事業とサプライチェーン内でのエネルギー効率を改善します。
  4. 循環経済:アークテリクス ReGEAR™を通して、循環型経済に積極的に参加します。

私たちの目標は、排出量を抑えた、持続可能な経営を確立することです。そのためにも、サプライチェーンの効率を高め、可能な限り環境に優しい素材を使用し、二酸化炭素排出量を大幅に削減した新たなビジネスモデルを模索していきます。2030年にっ向け当社の取り組み状況は年次報告する予定です。最新版 2023年 気候レポート をご一読ください。初回の 2019年 気候レポート2020年 気候レポート2021年 気候レポート、そして 2022年 気候レポートも合わせてお読みいただければ、スタート時からの弊社の足跡をたどることができます

気候変動への対応は、大規模かつ非常に重要なタスクです。しかし、やるべきことは明白です。将来への影響を軽減するために今行動し投資することこそが、私たちのビジネスと地球のための正しい道であると確信しています。

製造に責任を持つ

「製造に責任を持つ」とは、製品が環境や社会に与える影響にも責任を持つことを意味します。

アークテリクスは、創業当初より生産工程に深く関わってきました。長い間、アークテリクスのオフィスとデザインルームは、工場の中にありました。現在、私たちはバンクーバーの工場 ARC'One アークワンでの操業を進めています。生産工程との深いつながりが、当社の世界のサプライチェーンにおける持続可能性への取り組みの基礎となっているのです。

カナダで生産していることは、製造ノウハウの基盤がここにあることを意味していますが、同時に、生産拠点は世界中にあります。

製品は、厳しい品質基準をクリアしなければなりません。高性能なテクニカルアパレル用施設を持つ、10カ国に点在する当社のパートナーが、必要な生産量の達成をサポートしてくれています。当社は、製品に対する責任とプライドを持って、パートナー工場に指示を出しています。 アークテリクスのラベルは、製造地にかかわらず、品質と耐久性、機能性の高さを保証しているということです。

当社のデザインアプローチ、ディテールや品質へのこだわり、そして製造工場との長きに渡る連携が、そこで働く人々の環境意識にも影響を及ぼすきっかけになっていると信じますし、私たちはそのことを積極的に応援もしています。

2020年からアークテリクスは、独立第三者機関の フェアトレード認証™プログラムを通して製造工場をサポートしています。具体的には、従業員が直接受け取ることのできる追加資金を提供し、彼ら彼女らの労働に対する支援を行っています。 フェアトレード認証を受けた製品は、健康かつ安全な環境で働く権利が守られていることを保証するものです。さらに、フェアトレード報奨金は、生活資金を確保するために充てられる、従業員自らが管理する資金となります。

私たちのサプライチェーン・パートナーとの関係については、 サプライチェーン・パートナー ページをご覧ください。

コミュニティとのパートナーシップ

Our philosophy

自然とのつながりには、変革を生む力があると信じています。山への献身をDNAに持つ企業体として、アークテリクスは、ポジティブな変化をもたらす原動力になることが目標です。私たちはこの変化を、自社の主力事業における慣行の改善だけでなく、同じコミュニティに属しているプロジェクトやパートナーへのサポートを通じても、生み出してしていきます。

障壁を取り除き、自然を守り、グローバルなアウトドア コミュニティのニーズに対応してくれている、才能あるコミュニティ リーダーを持つパートナーや草の根組織には深く感謝しています。私たちは、BIPOC(黒人、先住民、有色人種)主導の、先住民族中心の2SLGBTQIA+や女性のスポーツ団体をサポートし、学びを深め、その道筋を辿りつつ、共により公平な自然へのアクセスに向けて、活動を前進させる努力を続けているところです。

コミュニティのリーダーたちと長期的、かつ戦略的なパートナーシップを築いて、より良い世界の実現に向けて尽力していきます。そのためにも、アウトドアで体系的な変化を起こすことに力を注ぐ人たちのビジョンと取り組みをサポートすべく、自社のリソースを効果的に配分していくつもりです。こうした意味のあるコミュニティとのパートナーシップを通じて、黒人や先住民、そして世界的多数派の声を中心に据え、それを広く伝えていきます。彼らのリーダーシップ、そして彼らからの学びに感謝しつつ、その道筋に従って、共により公平な自然へのアクセスに向けて、活動を前進させていく所存です

アークテリクスは、真実和解委員会(TRC)の行動要請、および先住民の権利に関する国連宣言の採択にコミットします。ファースト・ネーション、先住民、イヌイット、部族のコミュニティに導かれ、私たちは、真実と和解の心をもってビジネス全般に取り組み、私たちが愛する空気、大地そして水の保存・保護を提唱し、支援する努力を続けていきます。