8歳で最初のスポンサーを獲得してから、スノーボーダーのエレナ・ハイトは順調にキャリアの階段を昇り始めた。スノーボードのアメリカナショナルチームに14歳という若さで抜擢され、ハーフパイプのプロ選手権でその後16年間一線で活躍している。その実力により、彼女の戦いの場は世界へと広がった。オリンピック出場を2度果たし、XゲームとUSオープンではトップシードとして出場してきた。その間彼女は、瞑想や呼吸法などを実践し、自己ケアに努めてきた。おかげで、自由に時間を使うことがほとんど許されない多忙なスケジュールの中、心安らぐひと時を確保することができたという。アスリートとして常に進化するハイトの人間性に加え、自らのために行うこれらの習慣により、競技生活引退後に取り組むことが見つかった。それがビッグマウンテンライドであり、彼女の取り組みはテトン・グラビティ・リサーチによるドキュメンタリー映画『ブランクキャンバス』で紹介された。ハイトは、競争心ではなく好奇心こそがウィンタースポーツにおける原動力だと話している。そして、自分自身の人生に常に「余白」を見出そうとすることが、自己を成長させるために重要なことだとも語ってくれた。更にそれが、ウィンタースポーツの活性化につながるだけでなく、競技に挑む他のアスリート、とりわけ女性アスリートの機会向上につながると考えているそうだ。だからこそ彼女は、新しいことへの挑戦に迷いはないと言う。たとえ8歳のデビュー以来初めて、「世間から素人として扱われたとしても」だ。その結果、見習いビッグマウンテンライダーとしての挑戦が始まり、『ブランクキャンバス』の制作につながった。彼女にはこの映画によって伝えたいことがあった。「居心地のいい場所から抜け出して、夢を追いかけることの素晴らしさがみんなに伝わればと思ったの。それまで学んできたことが役に立たない世界に飛び込むのは、ものすごく怖いことかもしれないけどね。」赤ん坊の頃に住んでいたというハワイのカウワイ島や、幼い頃を過ごしたネバダ州タホ湖で培われてきたハイトと自然世界とのつながりは、感謝の気持ちを心の底から育んできただけでなく、地球環境を守りたいという強い思いも生み出した。
主な実績
- 映画『ブランクキャンバス』共同制作・主役
- 2度(2006年、2010年)の冬季オリンピック・スノーボードハーフパイプ代表
- Xゲーム 金メダリスト
- Xゲーム メダル7回獲得
- バートン USオープン優勝
- 13歳で競技大会におけるフロントサイド900着地に女性アスリートとして初めて成功
- 2013年冬季Xゲームのハーフパイプで、ダブルバックサイド・アーリーウープ・ロデオに初成功したスノーボーダー
- 2013年 『ESPN the Magazine ボディ特集号』に登場
- 『Oxygen Magazine』2014年2月号表紙
- 女性のみが携わって制作された映画『フルムーン』に参加
- スノーボード競技のアイコン、ジェレミー・ジョーンズと共に推進する完全人力プロジェクトに女性で初めて参加
- 『Experience Magazine』2018年11月号表紙
- 長編映画『Ode To Muir』の撮影のためにジェレミー・ジョーンズと遠征
- 難所として名高いタホ・グリズリー・スパインを女性で初めて滑降